和歌山県白浜町の三段壁にやってくる自殺志願者たちは、恐ろしいほど誰ともつながっていない。身近に家族、友人、子供がいたとしても、彼らの中ではつながりが断ち切れてしまっているのだ。映画を観ながら思った。
なぜ、彼らは人とつながれないのだろう。
なぜ、彼らは人とつながっていることを自覚できないのだろう。
しかし、それを彼らに求めてはいけない。彼らはそれができないから三段壁にやってきたのだ。映画の主人公の藤藪庸一牧師は、そんな彼らを理解して向き合い、自分の方から彼らとつながろうとする。そのあり方こそ、自殺を食い止める手段であり、この無縁社会で私たち一人ひとりが目指さなければならないことなのではないだろうか。
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